年金と健康保険の死亡後の手続き — 未支給年金と葬祭費の受け取り方

家族が亡くなったあとの手続きは、死亡届や葬儀の準備のように急ぐものから、少し落ち着いてから進めるものまでさまざまです。
その中で、後回しにしているうちに忘れてしまいやすいのが、年金と健康保険の手続きです。
年金を受けていた方が亡くなると、年金を止める届出に加えて、まだ受け取っていない年金を遺族が請求する手続きがあります。
健康保険では、資格確認書などを返すとともに、葬儀を行った方が葬祭費を受け取れます。
どちらも期限は数年と長めですが、知らなければ請求しないままになってしまうお金です。
この記事では、年金と健康保険の死亡後の手続きを、八潮市の窓口とあわせて整理します。
この記事でわかること
- 年金を止める届出と、未支給年金の受け取り方
- 健康保険の返却と、葬祭費・埋葬料の申請
- 八潮市での金額と窓口、それぞれの期限
年金を受けていた方が亡くなったら、まず年金を止める
年金を受けていた方が亡くなったら、日本年金機構に亡くなったことを知らせ、年金の支払いを止めてもらいます。
この届出を「年金受給権者死亡届」といいます。
ただし、日本年金機構にマイナンバーが登録されている方は、原則としてこの届出は不要です。
市役所に出した死亡届の情報が、日本年金機構に伝わるしくみになっているためです。
最近年金を受け始めた方の多くはマイナンバーが登録されていますが、気になる場合は年金事務所で確かめておくと安心です。
届出が必要な場合の期限は、厚生年金を受けていた方は10日以内、国民年金だけの方は14日以内が目安です。
届出が遅れて亡くなったあとの分まで振り込まれると、あとで返すことになります。
なお、年金は亡くなった月の分まで支払われます。
亡くなったあとに振り込まれた年金がすべて返す対象になるわけではないので、通知が届いたら内容を確かめてください。
未支給年金 — 亡くなった月までの年金を遺族が受け取る
年金は、2か月分ずつ後払いで振り込まれます。
たとえば、4月と5月の分は6月15日に振り込まれます。
そのため、年金を受けていた方が亡くなると、ほとんどの場合、まだ受け取っていない年金が残ります。
この亡くなった月までの年金を「未支給年金」といい、遺族が請求して受け取ることができます。
受け取れる人
未支給年金を受け取れるのは、亡くなった方と生計を同じくしていた家族です。
受け取れる順番は次のとおりで、先の順番の方がいれば、その方が受け取ります。
| 順番 | 続柄 |
|---|---|
| 1 | 配偶者 |
| 2 | 子 |
| 3 | 父母 |
| 4 | 孫 |
| 5 | 祖父母 |
| 6 | 兄弟姉妹 |
| 7 | それ以外の3親等内の親族(甥・姪、おじ・おばなど) |
生計を同じくしていたとは、同居していた場合のほか、別に暮らしていても仕送りをしていたなど、生活費を共にしていた場合も含みます。
別居している子が請求するときは、そのことを説明する書類を求められることがあります。
手続きの方法
「年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書」を年金事務所に提出します。
年金を止める届出と1枚の用紙になっているので、マイナンバーが登録されていて死亡届が不要な方も、未支給年金を受け取るにはこの請求書を出します。
主に必要なものは次のとおりです。
- 亡くなった方の年金証書
- 亡くなった方と請求する方の続柄がわかる戸籍謄本
- 亡くなった方の住民票の除票と、請求する方の世帯全員の住民票(同じ世帯なら1通でよい場合があります)
- 受け取る方の預金通帳
- 別居していた場合は、生計を同じくしていたことの申立書
提出は郵送でもできます。
窓口で相談したい場合は、予約をしたうえで年金事務所か街角の年金相談センターへ行きます。
期限と税金
未支給年金は、5年を過ぎると請求できなくなります。
期限は長めですが、葬儀や相続の手続きに追われて忘れてしまう方もいるので、早めに出しておくことをおすすめします。
未支給年金は、亡くなった方の財産(相続財産)ではなく、請求した遺族が自分の権利として受け取るものです。
そのため相続税はかからず、受け取った方の一時所得として扱われます。
一時所得には年50万円の特別控除があるので、ほかに一時所得がなければ、税金がかからないことがほとんどです。
遺族年金を受け取れるかも確認する
亡くなった方に生計を維持されていた家族がいる場合は、遺族年金を受け取れることがあります。
遺族年金には、国民年金から出る遺族基礎年金と、厚生年金から出る遺族厚生年金があります。
遺族基礎年金は、主に18歳になった年度の末までの子がいる配偶者や子が対象です。
遺族厚生年金は、会社員や公務員だった方が亡くなったときに、配偶者などが受け取れます。
このほか、国民年金だけに加入していた方が亡くなったときに、寡婦年金や死亡一時金を受け取れる場合もあります。
受け取れるかどうかは、加入していた期間や家族の状況によって変わるので、未支給年金の請求と一緒に年金事務所で確認するのが確実です。
健康保険 — 資格確認書を返し、葬祭費を申請する
国民健康保険・後期高齢者医療制度の方
亡くなった方が国民健康保険か後期高齢者医療制度(75歳以上の方)に加入していた場合は、市役所で手続きをします。
- 資格を失う届出(死亡届を出すと市役所の中で手続きが進むこともあるので、窓口で確認してください)
- 資格確認書の返却(お手元に以前の保険証が残っていれば、それも返します)
- 世帯主が亡くなった場合は、国民健康保険の世帯主の変更
2024年12月から新しい保険証は発行されなくなり、今はマイナンバーカードの保険証か資格確認書を使うしくみになっています。
マイナンバーカードは返す必要はありません。
葬祭費 — 葬儀を行った方が受け取れる
国民健康保険か後期高齢者医療制度に加入していた方が亡くなると、葬儀を行った方(喪主)に葬祭費が支給されます。
八潮市では、どちらも5万円です。
申請には、喪主の名前が書かれた葬儀の領収書か会葬礼状の写しと、振込先の口座がわかるものが必要です。
期限は、葬儀を行った日の翌日から2年です。
会社の健康保険に加入していた方
亡くなった方が会社員などで、会社の健康保険に加入していた場合は、資格確認書の返却などは勤務先を通じて行います。
また、亡くなった方に生計を維持されていた家族などは、埋葬料(協会けんぽの場合は5万円)を受け取れます。
勤務先の担当者か、加入していた健康保険組合に問い合わせてください。
医療費の払い戻しも忘れずに
亡くなる前に入院していた場合などは、医療費が高額になり、高額療養費の払い戻しを受けられることがあります。
この払い戻しは相続人が受け取ります。
市役所から案内が届くことが多いので、郵便物を確認してください。
期限の一覧
| 手続き | 期限 | 窓口 |
|---|---|---|
| 年金受給権者死亡届(マイナンバー登録があれば原則不要) | 10日以内(国民年金だけの方は14日以内) | 年金事務所 |
| 未支給年金の請求 | 5年 | 年金事務所 |
| 遺族年金・死亡一時金など | 遺族年金は5年、死亡一時金は2年 | 年金事務所 |
| 国民健康保険・後期高齢者医療の資格喪失、資格確認書の返却 | 14日以内 | 市役所 |
| 葬祭費(国民健康保険・後期高齢者医療) | 葬儀の翌日から2年 | 市役所 |
| 埋葬料(会社の健康保険) | 2年 | 勤務先・健康保険組合 |
亡くなったあとの手続き全体の流れは「家族が亡くなった後の手続きチェックリスト(八潮市版)」、相続の期限は「相続手続きの期限一覧」にまとめています。
現場からの一言
相続のご相談で実家の書類を整理していると、日本年金機構からの封筒が開けられないまま見つかることがあります。
中身が未支給年金の請求書だったということもあり、ご家族は請求できることを知らなかったそうです。
期限は5年ありますが、相続の手続きとあわせて早めに済ませておくと安心です。
八潮市・草加市・越谷市の窓口
八潮市の場合、国民健康保険と後期高齢者医療制度の葬祭費は、国保年金課 保険給付係が窓口です。
また、八潮市では、市内に住所がある方が亡くなったとき、葬儀を行った方に葬祭助成金2万円を支給しています。
こちらは市民課が窓口で、亡くなった日から2年以内に申請します。
葬祭費とは別の制度なので、あわせて確認してください。
草加市・越谷市にお住まいだった方は、それぞれの市役所の国民健康保険の担当課が窓口です。
草加市の手続きは「家族が亡くなった後の手続きチェックリスト(草加市版)」でまとめています。
年金の手続きは、郵送なら年金事務所へ送ります。
窓口で相談したい場合は、予約をしてから最寄りの年金事務所か街角の年金相談センターへ行ってください。
八潮市にお住まいの方は「八潮市の相続・不動産のご相談窓口」もご覧ください。
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まとめ:お金を受け取る手続きは忘れやすい
- 年金を受けていた方が亡くなったら、年金を止める届出をする(マイナンバー登録があれば原則不要)
- 亡くなった月までの未支給年金は、生計を同じくしていた家族が5年以内に請求できる
- 未支給年金は相続財産ではなく、受け取った方の一時所得になる
- 健康保険は資格確認書を返し、葬儀を行った方は葬祭費(八潮市は5万円)を2年以内に申請する
- 八潮市には、葬祭費とは別に葬祭助成金2万円がある
止める手続きは役所から案内が来ることが多いのですが、受け取る手続きは自分から申請しないと始まりません。
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