遺言書を作っておいたほうがよいご家族
遺言書がないと、遺産の分け方は相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で決めることになります。
次のようなご家族は、話し合いがまとまりにくかったり、手続きに時間がかかったりしやすいため、遺言書を作っておく意味が大きくなります。
財産の多くが自宅や土地で、預貯金は多くない
子どもがいない夫婦で、配偶者にすべてを残したい
家を継ぐ子と、家を出た子がいて、分け方で不公平感が出そう
再婚していて、前の配偶者との間にも子どもがいる
相続人の中に、連絡が取りにくい人や疎遠な人がいる
貸している家や、使っていない土地がある
たとえば子どもがいない夫婦の場合、配偶者と一緒に、亡くなった方の兄弟姉妹(亡くなっていればその子ども)も相続人になります。
自宅の名義を配偶者に変えるにも、兄弟姉妹全員の実印と印鑑証明書が必要です。
兄弟姉妹には遺留分(最低限もらえる取り分)がないため、「すべてを妻(夫)に相続させる」という遺言書があれば、配偶者だけで名義を変えられます。
遺言書は、残される家族の手間と気苦労を減らすための準備でもあります。
不動産がある家の遺言で、気をつけたいこと
相続のご相談で多いのは、預貯金よりも家や土地の分け方で困るケースです。
不動産の売買に13年携わってきた立場から、遺言書を作る段階で次の点を一緒に確認します。
家の値段の目安を知ってから、分け方を決めます。固定資産税の評価額と、実際に売れる値段は大きく違うことがあります。「家は長男、預金は長女」と決めても、家の値段がわからないままでは、公平かどうか判断できません。当事務所では、八潮周辺の取引の状況をふまえて、売った場合の値段の目安をお出ししたうえで分け方を考えます。
「とりあえず兄弟で共有」は避けます。家を兄弟で半分ずつ共有にすると、売るにも貸すにも全員の同意が必要になります。さらに次の相続が起きると、持ち主がどんどん増えていきます。誰が引き継ぐか、売って代金を分けるかを、遺言書の段階で決めておくことをおすすめしています。
売って分けるなら「清算型遺言」と遺言執行者。住む人がいない家は、遺言書に「売却して、代金を〇〇と〇〇で分ける」と書いておく方法があります(清算型遺言)。あわせて遺言執行者を決めておくと、相続人全員が集まらなくても、売却から分配までを進めやすくなります。
土地と建物を、登記のとおりに書きます。遺言書の不動産は、住所ではなく、登記簿の所在・地番・家屋番号で書くのが基本です。私道の持ち分や、建物が未登記のケースは書き漏れが起きやすいため、登記簿と固定資産税の資料で確認します。
公正証書遺言と自筆証書遺言の違い
よく使われるのは、公証役場で作る公正証書遺言と、自分で書いて法務局に預ける自筆証書遺言の2つです。
| 比べるところ | 公正証書遺言 | 自筆証書遺言(法務局保管) |
|---|---|---|
| 作り方 | 公証人が作り、本人が内容を確認して署名 | 本人が全文を手書き(財産目録はパソコンでも可) |
| 証人 | 2名が必要(当事務所で用意します) | 不要 |
| 保管 | 公証役場 | 法務局 |
| 家庭裁判所の検認 | 不要 | 不要 |
| 内容が無効になる心配 | とても少ない | 形式は法務局が確認するが、内容までは確認しない |
| 公的な費用 | 公証人手数料(財産の額による) | 保管手数料 3,900円 |
| 当事務所の料金(税別) | 100,000円 | 50,000円 |
不動産がある場合や、相続人の関係が複雑な場合は、公正証書遺言をおすすめしています。
費用を抑えたい場合や、まず一度形にしておきたい場合は、自筆証書遺言を法務局に預ける方法も十分に使えます。
どちらがよいかは、無料相談でご事情をうかがってからご提案します。
2026年6月には、パソコンで作って法務局に預ける新しい遺言の制度も法律で決まりました。詳しくはデジタル遺言(保管証書遺言)とはで解説しています。
料金とサポートの内容
| 項目 | 報酬額(税別) |
|---|---|
| ご相談 | 無料 |
| 公正証書遺言サポート(証人2名込み) | 100,000円 |
| 自筆証書遺言サポート(法務局の保管制度を使う場合) | 50,000円 |
| 遺言執行(遺言の内容どおりに名義変更・解約・分配を行う) | 遺産整理業務と同じ料金(遺産総額の3,000万円以下の部分は1.5%など、段階制。最低200,000円) |
※ 公証人手数料、法務局の保管手数料、戸籍・登記事項証明書などの実費は別途かかります。相続税の対策が必要な場合は提携の税理士、登記が必要な場合は提携の司法書士と連携します。
公正証書遺言サポートに含まれるものご希望のヒアリング/推定相続人の確認(戸籍の取得)/財産の整理と不動産の価格の目安/遺言書の文案づくり/公証人との打ち合わせと日程調整/作成当日の立ち会い/証人2名(南出と、守秘義務の誓約をした当事務所の関係者)
自筆証書遺言サポートに含まれるものご希望のヒアリング/推定相続人の確認/財産の整理と不動産の価格の目安/文案づくりと書き方のご案内/書き上がった遺言書の確認/法務局の保管申請の書類準備と予約のお手伝い(申請はご本人が法務局へ出向きます)
公証役場に払う手数料の目安
公正証書遺言の手数料は、財産をもらう人ごとに、もらう財産の額で計算して合計します。
手数料の額は2025年10月に改められました。
| 1人がもらう財産の額 | 手数料 |
|---|---|
| 500万円まで | 13,000円 |
| 1,000万円まで | 20,000円 |
| 3,000万円まで | 26,000円 |
| 5,000万円まで | 33,000円 |
| 1億円まで | 49,000円 |
財産の合計が1億円以下のときは、この合計に13,000円が足されます。
たとえば、3,000万円の財産を子ども2人に1,500万円ずつ残す場合は、26,000円×2人+13,000円で、約65,000円が目安です。
このほかに、遺言書の正本・謄本の代金が数千円ほどかかります。
ご相談の際に、財産の内容をうかがって手数料の見込みもお伝えします。
出典: 日本公証人連合会。手数料は公証役場が最終的に計算します。
ご相談から完成までの流れ(公正証書遺言の場合)
ご依頼から完成まで、1か月から2か月ほどが目安です。
無料相談遺言
ご家族の構成と財産の概要、誰に何を残したいかをうかがい、公正証書と自筆証書のどちらがよいかをご提案します。
資料集めと相続人の確認遺言
戸籍を集めて、相続人になる方を確認します。不動産の登記簿や固定資産税の資料もそろえます。
不動産の価格の目安と分け方の検討不動産
家や土地を売った場合の値段の目安をお出しし、誰が引き継ぐか、売って分けるかを一緒に考えます。
文案づくりと公証人との打ち合わせ遺言
遺言書の文案を作り、内容をご確認いただいたうえで、公証人と打ち合わせて作成日を決めます。
公証役場で作成遺言
ご本人と証人2名で公証役場へうかがい、公証人が読み上げる内容を確認して署名します。原本は公証役場で保管されます。
よくあるご質問
Q.一度作った遺言書を、あとから変えることはできますか?
A.はい、できます。新しい遺言書を作れば、前の遺言書と食い違う部分は新しいほうが優先されます。家を売った、孫が生まれたなど、事情が変わったときは見直しをおすすめします。
Q.夫婦で1通の遺言書にまとめられますか?
A.いいえ、法律で2人以上が同じ書面で遺言することは認められていないため、お一人ずつ作ります。ご夫婦で同じ日に公証役場へ行くことはできます。
Q.親の物忘れが増えてきました。まだ遺言書を作れますか?
A.遺言書を作るには、内容を理解して判断できる力が必要です。症状が進むと作れなくなることがあるため、気になり始めた段階で早めにご相談ください。
Q.証人には誰がなるのですか?
A.南出と、守秘義務の誓約をした当事務所の関係者の2名が務めます。料金に含まれているので、別の費用はかかりません。相続人になる方やその配偶者は、法律上、証人になれません。
Q.家族に知られずに遺言書を作れますか?
A.はい、作れます。ご相談の内容をご家族にお伝えすることはありません。ただ、遺言書があることや保管場所は、信頼できる方に伝えておくと安心です。
Q.家族信託についても相談できますか?
A.はい、ご相談はお受けしています。認知症に備えて家の管理や売却を子どもに任せたい場合などは、遺言書と家族信託のどちらが合うかを一緒に整理し、必要に応じて提携の司法書士と連携します。
Q.遺言書が見つかったときは、どうすればいいですか?
A.見つかった遺言書の種類によって、最初にやることが変わります。遺言書が見つかったら最初にやることで詳しく解説しています。
家や土地のことまで考えた遺言書を、一緒に作りませんか
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