自動車を相続したときの手続き、忘れずに確認したいポイント

相続の手続きというと、不動産や預貯金に目が向きがちですが、自動車も立派な相続財産の一つです。

八潮市にお住まいの方からご相談を受ける中でも、名義変更を忘れたまま乗り続けてしまっているケースがありました。

今回は、自動車を相続した際の手続きについて整理してご紹介します。

名義変更は必要か

原則として、名義変更は必要です。

被相続人(亡くなった方)が車検証の「所有者の氏名又は名称」に記載されている場合、所有権を移転・相続するための名義変更手続きを行わなければなりません。

なお、車検証の所有者がディーラーやローン会社など第三者になっている場合は、この意味での相続手続きは発生しません。この点については後ほど改めて触れます。

名義変更に必要なもの

普通自動車を単独で相続する場合、基本的には次のような書類が必要になります。

  • 申請書
  • 手数料納付書
  • 自動車検査証(車検証・有効期間内のもの)
  • 戸籍謄本(全部事項証明書)または法定相続情報証明書(死亡の事実と相続人全員を確認できるもの)
  • 自動車保管場所証明書(車庫証明書・証明日より40日以内。使用の本拠の位置と新住所が同一の場合は不要)

なお、相続と同時に第三者へ名義変更する場合は、これらに加えて譲渡証明書や新所有者の印鑑証明書・車庫証明書等も必要になります。

車庫証明書は、車庫の住所を担当する警察署で入手します。

発効までに1週間ほどかかることがありますので、前もって申請しておきましょう。

遺言書、遺産分割協議をした場合

名義変更の際には、相続の根拠を示す書類として、次のいずれかを提出します。

【遺言書がある場合】

  • 遺言書
  • 検認済証明書(自筆証書遺言の場合)

【遺産分割協議をした場合】

  • 遺産分割協議書
  • 新所有者の印鑑証明書(または実印を押印した委任状。発行後3か月以内)

車の価格が100万円以下の場合

相続する自動車の価格が100万円以下であることを確認できる査定証等の写しを添付できる場合には、「遺産分割協議成立申立書」を使用することができます。

この場合、申請する相続人が本人であることさえ確認できれば、他の相続人からの確認や押印は不要となります。

少額の車両であれば、この方法で手続きの負担を軽減できる可能性があります。

名義変更を行う場所

自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所で手続きを行います。

八潮市にお住まいの方の場合は、埼玉運輸支局の管轄内にある春日部自動車検査登録事務所が窓口となりますので、相続した車の名義変更もこちらで行うことになります。

なお、関東運輸局の本局(横浜第二合同庁舎)の窓口では手続きができませんので、注意が必要です。

廃車に必要なもの(永久抹消登録の場合)

解体処分等に伴い、相続人が代理で永久抹消登録を行う場合には、次の書類が必要です。

  • 申請書
  • 自動車検査証(車検証)
  • ナンバープレート(前後2枚)
  • 戸籍謄本または法定相続情報証明書
  • 申請人の印鑑証明書(または実印を押印した委任状)
  • リサイクル券番号(移動報告番号)
  • 振込先口座情報(車検残存期間が1か月以上あり、自動車重量税の還付を受ける場合)

廃車の流れ

解体後、運輸支局において永久抹消登録を申請する流れとなります。

その際にリサイクル券番号の記入、ナンバープレートの返納、重量税還付の申請などを行います。

なお、実際に解体業者へ車両の引き渡しを手配し、解体完了通知を受け取るまでの民間業者とのやり取りについては、車両ごと・業者ごとに流れが異なる部分もあります。

廃車を検討される際は、依頼する解体業者に事前に流れを確認しておくと安心ですね。

軽自動車の場合

普通自動車とは異なり、軽自動車の名義変更は運輸支局ではなく、軽自動車検査協会で手続きを行います。

必要書類も普通自動車とは異なり、軽自動車の場合は実印や印鑑証明書までは求められないケースが多く、認印での対応や、車検証の記載事項に基づく簡易な手続きで済むことが一般的です。

ただし、細かな取り扱いは地域の軽自動車検査協会によって異なる場合がありますので、事前に窓口へ確認されることをおすすめします。

車のローンが残っている場合

車検証の「所有者」がローン会社やディーラーなど第三者になっている場合、その車は法律上まだ完全にはご本人の所有物ではない状態にあります。

この場合、亡くなった方名義への相続手続き(名義変更)自体は発生しません。

ただし、ローンの残債務そのものは消えるわけではなく、相続人が残債務を引き継ぐことになります。

実務上は、ローン会社に連絡を取り、残債務の額を確認したうえで一括返済等により完済し、その後にローン会社から所有権解除の書類を受け取ってから、使用者を相続人に変更する、という流れになるのが一般的です。

ローンの契約内容によって対応が異なる場合もあるため、まずはローン会社へ相続が発生した旨を連絡することが最初のステップになりますね。

車にかかる相続税について

自動車も他の財産と同様に、相続税の課税対象となる財産の一つです。

自動車の相続税評価額は、原則として、同じ車種・年式・走行距離等の中古車市場において通常成立すると認められる価格(調達価額)をもとに評価します。

亡くなった日に中古車として売却した際の買取価格相場の金額です。

高級車や年式の新しい車の場合は評価額が無視できない金額になることもあるため、他の相続財産と合わせて、相続税の申告が必要かどうかについては税理士へ確認されることをおすすめします。

おわりに

自動車の相続手続きは、不動産などに比べると見落とされがちですが、名義変更を放置したままにしておくと、後々の売却や廃車の際に余計な手間がかかってしまうことがあります。

「うちの場合はどう進めればいいのか」など、ご不安な点がありましたらお気軽にご相談ください。

八潮市にお住まいの方の相続手続きについては、自動車も含めて一括してサポートさせていただきます。

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